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天秤棒を肩口に背負い、「いわっしぇー、いわっしぇー」などと威勢よく声をあげて長屋を廻る。 その声を聞いて「ああ、もう夕餉の時間だねえ」などと井戸端会議の奥さん方が動き出す。 毎度おなじみになれば得意もできる、商売とはそういうものですが…
「ほらあんた、いい加減起きて。 もう時間だよ?」
「ああ? 今なんどきだ…おいおい、まだ鳥も鳴かないって時間じゃねえか。 昨日の酒がいい感じだ、おら寝るぞ」
「馬鹿言ってないでお前さん起きなって。 もうどれくらい商売してないんだい、このままじゃ世間様が正月でもうちだけ正月がきやしないよ」
「こねえもんはほっときゃいいんだ、いいから寝かせてくれ」
「そんなんじゃ正月来ないでうちらはそのまま首くくりかい」
「ああ、うっせえなぁ。 ったく、もうこんだけ仕事いってねえんだ、得意だってもう他のが入っちまってるってんだよ。 無駄足もいいとこでえっ」
「そんなんあんたの責任でしょうが。 そこを『すいません、ご無沙汰で。 また改めてしっかりやりますんでよろしくご贔屓に』ってやっていくしかないでしょう。 さあ道具もちゃんと磨いてあるし準備してある、いってらっしゃいな」
(めんどくなったので省略。 興味があれば調べれ。 噺をある程度知ってるので枕から適当に書いてみた。 実際にはちょい違うと思う)
(オチを書いてやろうかと思ったけど自粛)
三遊亭円楽師匠がお亡くなりになりました。 笑点の司会としてお馴染みの落語家さんです。 新聞・ニュース等で略歴が語られていたりしていますが、古典にも愛着をもって演じられていた噺家さんであります。
すでに引退されていましたが、その原因は病気によるもので、最後の高座にて口が回らなく芸にならなかったことに失意しての引退であったかと。 その時の演目がうろ覚えで間違ってるかもしれませんが、「芝浜」じゃなかったかな。
芝浜という話は、腕はいいけど酒に弱い魚屋が久方ぶりに出た仕事で大金を拾う。 これで遊んで暮らせると酒を飲んで寝たところを妻がそれを隠し、夢だと男に言い、男は心を入れ替え仕事に精を出す。 立派になったところで妻が謝りながら、あれは夢ではなかったと男に告白する人情噺に近い噺ですね
こうして見ると、円楽師匠の生き様にも似ています。 若くして真打になり放送初回より笑点で活躍をして「プリンス」と呼ばれるまでに至ったものの、師匠にきびしく諫められ落語協会を抜け一門を引っ張っていく苦難の道を歩み、愛されて最後を迎えたものの自分には心残りがあった、似てるよーなー…似てないかな
現世は全て夢、これからは新天地にて芸を磨いてください。 いつかその高座を伺いたいと思います。 その時は心ゆくまで楽しませていただこうと思います。 円楽師匠のご冥福をお祈りします
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